法律情報85号:1カ月勤務停止の外国人従業員は社会保険料の支払いが義務なのか?

2023年09月08日

1カ月勤務停止の外国人従業員は社会保険料の支払いが義務なのか?

ベトナムで働く外国人従業員の強制社会保険料の支払率と支払い方法は、政令第143/2018/ND-CPの第12 条に具体的には下記のように規定されています。

「1.2022年1月1日以降、本政令の第2条第1項に規定される従業員は、毎月の給与の8%に相当する金額を退職・遺族基金に拠出する。

2.1ヶ月に14営業日以上働かず給与を受け取らない従業員は、その月の社会保険料を支払わない。この期間は、産休の場合を除き、社会保険の給付対象にはならない。」

上記の規定に基づき、従業員が月に14労働日以上仕事をせず給料を受け取らない場合、その月の社会保険料は支払われません。そのため、1ヶ月以内に仕事を辞めた場合には、当然その月の社会保険料は支払われません。それとともに、この期間は、産休を取得する場合を除き、社会保険の給付対象にはなりません。

さらに、雇用主の支払率と支払方法は、政令第143/2018/ND-CPの第13条で具体的に下記のように指定されています。

「1.本政令第2条第3項に規定される雇用主は、従業員の毎月の社会保険給与基金に下記の通り拠出する。

  1. a) 傷病・出産基金への3%拠出
  2. c) 2022年1月1日以降、退職基金および遺族基金への14%拠出

2.雇用主は、本政令第12条第2項に規定される従業員の社会保険を支払わないものとする。」

したがって、上記の通り、1か月以内に働かなかった場合、雇用主は従業員に対して社会保険料を支払う必要はありません。

複数の雇用主と労働契約を結ぶ外国人従業員は、義務的な社会保険をどのように支払うのか?

 政令第143/2018/ND-CPの第13条第4項には、下記のように規定されています。

「4.従業員が複数の雇用主と労働契約を結び、強制社会保険に加入している場合、従業員と雇用主が支払う社会保険料は、労働契約1回目のみとなる。労働災害・職業病保険基金への加入に関しては、雇用主は締結された各労働契約に従って支払うものとする。」

したがって、従業員が複数の雇用主と労働契約を締結している外国人の場合、従業員と雇用主は最初に締結した労働契約についてのみ社会保険料を支払います。

したがって、現行法は、ベトナムで働く外国人従業員の場合、労働許可証を持ち、合法的に労働契約を結んでいる場合には、強制社会保険の対象者に該当することを具体的に規定しています。複数の雇用主と労働契約を締結する場合、従業員と雇用主は最初に締結した労働契約についてのみ社会保険料を支払います。それとともに、労働者が1か月以内に労働に従事しない場合、雇用者も労働者もその月の社会保険料を支払いません。