ビジネスの成功は長い旅のようです。その道のりで、ビザ手続きが足かせとならないようにしましょう。実際に多くの日本企業が、ベトナム事業ビザとベトナム投資ビザの混同が原因で、不必要な困難に直面しています。 それぞれのビザは目的が異なり、有効期間や条件、必要書類などの規定も明確に分かれています。本記事では、詳細な分析を通じて、あなたが簡単に比較し、正しい決定を下せるようサポートします。目的に合った適切なビザを選択することで、事業を円滑に進めることができ、行政手続きの煩わしさから解放され、事業の成長という本来の目標に専念できるようになります。

1. ベトナムのビザ制度の概要
ベトナムで事業を始めるには、ビザ制度を正確に理解することが不可欠です。ベトナムビザの制度は、「外国人の入国、出国、通過および居住に関する法律」(2014年制定法律第47/2014/QH13号、 2019年改正法律第51/2019/QH14号、2023年改正法律第23/2023/QH15号)によって厳格に定められており、日本企業がベトナム市場に参入する際の指針となります。
ベトナムビザは入国目的に応じて分類されており、特に事業活動を支援する目的でベトナム投資ビザとベトナム事業ビザが重要となります。ベトナム投資ビザは出資を行う外国人投資家向けである一方、ベトナム事業ビザはベトナム国内の組織と協力した事業を行う人々を対象としています(法律第47/2014/QH13号第8条抜粋)。この二つのビザは滞在期間が異なるだけでなく、法的条件にも影響するため、行政罰や国外追放といったリスクを避けるために、日本企業は正確な選択をする必要があります(法律第47/2014/QH13号第21条抜粋)。
ビザ制度を正しく理解することは、日本企業が効果的な投資戦略を立て、法令遵守を確実にする助けとなります。では、ベトナム投資ビザと事業ビザの詳細を理解し、適切なほうを選びましょう!
2. ベトナム投資ビザとは?
ベトナム投資家ビザとも呼ばれ、外国人投資家に発給されます。ベトナム投資ビザ(記号:ĐT)は、ベトナムに投資を行う外国人個人および外国組織の代表者(総称して「投資家」)に発給される査証です。このビザは、長期的な投資活動を奨励し、円滑に進めることを目的としており、ベトナムの経済発展に貢献します。
2.1. ベトナム投資ビザの分類
2019年改正法第51/2019/QH14号第1条3項の規定に基づき、投資ビザ(ĐTビザ)は投資額と投資分野に応じて4種類に分類されます。これにより、ベトナム投資家は、出資額や投資分野に見合った権利を得ることができます。
- ĐT1ビザ: 1,000億ドン以上の出資を行うベトナム投資家、または政府が指定する優遇投資分野・地域に投資するベトナム投資家に発給されます。
- ĐT2ビザ: 500億ドン以上1,000億ドン未満の出資を行うベトナム投資家、または政府が指定する開発奨励分野に投資するベトナム投資家に発給されます。
- ĐT3ビザ: 30億ドン以上500億ドン未満の出資を行うベトナム投資家に発給されます。
- ĐT4ビザ: 30億ドン未満の出資を行うベトナム投資家に発給されます。
2.2. ビザの有効期限
2019年改正法第51/2019/QH14号第1条4項に基づき、ĐTビザの有効期限は、ベトナム投資家に発給されるビザの種類に応じて、以下の通りに定められています。
- ĐT1ビザ: 最長5年
- ĐT2ビザ: 最長5年
- ĐT3ビザ: 最長3年
- ĐT4ビザ: 最長1年
2.3. 取得条件*
2019年改正法第51/2019/QH14号の規定に基づき、ベトナム投資家がĐTビザを申請するには、実際の投資活動に関連する法的および財務的条件を同時に満たす必要があります。
- 合法的なベトナム投資家としての法的地位を有すること。
- ĐTビザの種類に見合った投資額を有すること。
- 実際の投資活動が合法的に行われていること。
- 有効なパスポートを所持していること。
- ベトナムへの入国または居住を禁止されていないこと。
2.4. 必要書類*
ĐTビザの発給を受けるには、投資家は有効な書類一式を準備する必要があります。必要書類は以下のとおりです。
- NA5様式:査証発給申請書(企業印が押印された原本)
- パスポート原本:投資家自身のもの(有効期限が6か月以上残っているもの)
- 投資登録証明書または企業登録証明書(公証付きの写し):外国人投資家のベトナムにおける投資活動を証明し、発給されるĐTビザの種類を決定するための根拠となります。
- 追加書類(要求された場合)
*参照: https://dichvuhanhchinhcong.vn/visa-dau-tu-viet-nam/
3. ベトナム事業ビザとは?
ベトナム事業ビザ(記号:DN)は、ベトナム国内の法人格を持つ企業や組織と協働する目的で入国する外国人、またはサービスの提供、商業拠点の設立、もしくはベトナムが加盟する国際条約に基づくその他の活動を行う外国人に対して発給される査証です。ベトナム投資ビザとは異なり、DNビザは「投資」ではなく、あくまで「業務」を目的としている点に焦点が置かれています。
3.1. ベトナム事業ビザの分類
2019年改正法第51/2019/QH14号第1条3項および2023年改正法第23/2023/QH15号第2条2項に基づき、DNビザは以下の2種類に分類されます。
- DN1ビザ: ベトナムの法律で定められた法人格を持つ企業や組織と協働する外国人に発給されます。
- DN2ビザ: サービスを提供するため、商業拠点を設立するため、もしくはベトナムが加盟する国際条約に基づくその他の活動を行うために発給されます。
DNビザの申請対象者は、一般的に管理者、専門家、エンジニア、技術者、オフィスワーカーなどです。彼らはベトナムに短期滞在し(長期的な雇用関係は発生しない)、市場調査、商談、契約締結、または法人設立をまだ必要としない商業・投資活動を行う目的で入国します。
3.2. ビザの有効期限
2023年改正法第23/2023/QH15号第2条2項に基づき、DN1ビザおよびDN2ビザの有効期限は、最長1年と定められています。有効期限が切れた後も、すべての条件を満たせば、新たなビザを申請することが可能です。この滞在期間は、多くのベトナム投資ビザに比べると短いですが、外国人の短期的な業務目的に適しています。
3.3. 取得条件*
ベトナム事業ビザの発給を受けるには、外国人本人およびその保証人となる組織の双方が、「外国人の入国、出国、通過および居住に関する法律」に定められたすべての条件を満たす必要があります。これらの条件を正確に遵守することは、申請書類が迅速に受理・処理されるための不可欠な要件であり、申請却下や法的リスクの発生を回避するためにも重要です。
⭐外国人本人に対する条件
- 有効期限が6か月以上残っている有効なパスポートを所持していること。
- 法律第47/2014/QH13号第21条に基づく入国禁止対象者(指名手配、国外追放、危険な感染症罹患など)に該当しないこと。
- ベトナムに合法的な保証人(企業、組織)がいること。
- 事業ビザの種類に合致した明確な入国目的(業務、調査、契約締結など)があること。
- 過去にベトナムへの入国歴がある場合、以前のビザまたは居住に関する違反がないこと。
⭐保証元となる企業・組織に対する条件
- ベトナムで完全な法人格を有し、合法的に事業活動を行っていること。
- 外国人の不正な雇用や不法な入国招へいに関する行政処罰を受けていないこと。
- 外国人を業務や提携のために招へいする、現実的かつ合法的なニーズがあること。
- 外国人の入国目的および保証の根拠を証明する書類一式が揃っていること。
3.4. 必要書類*
ベトナム事業ビザは、個人が直接申請するのではなく、ベトナムの企業や組織が保証人となって手続きを進める必要があります。必要な書類は以下の通りです。
- NA2様式: 外国人入国承認申請書(企業印が押印された原本)
- 企業登録証明書: 公証付きの写し(オンライン申請の場合はスキャンデータ)
- 申請提出者の紹介状:(直接提出の場合)
- 外国人の情報: 氏名、パスポート番号、国籍、職業、入国目的、予定入国日、ビザ受取場所
- 業務関係を証明する書類: 招聘状、業務提携契約書(あれば)
*参照: https://dichvuhanhchinhcong.vn/visa-doanh-nghiep-viet-nam/
4. ベトナム投資ビザとベトナム事業ビザの主な違い
以下に、ベトナム投資ビザとベトナム事業ビザの主な違いをまとめました。これにより、日本企業は自社の目的に合ったビザを正しく選択し、行政罰や国外追放といった法的リスクを未然に防ぐことができるようになります。
🔔アドバイス: ベトナムにおける事業目的と活動予定期間に照らし、日本企業はベトナム投資ビザとベトナム事業ビザのいずれが最適化を慎重に選択してください。
5. まとめ
ベトナム投資ビザを選ぶかベトナム事業ビザを選ぶかは、単なる行政手続きではなく、ベトナムでの日本企業の事業活動の円滑さに直接影響を与える戦略的な決定です。
ベトナム投資家ビザの条件を理解し、適切な選択を行うことが重要です。
この2種類のビザにおける目的、対象者、有効期限、必要書類の違いを明確に理解することで、最初から正確な選択ができ、時間やコストの無駄、そして何よりも法的リスクを回避することができます。ビザ手続きにおける正しい一歩が強固な基盤を築き、貴社がベトナム市場での成長と成功という目標に完全に集中できるようになります。
6. FAQ
Q1. ベトナム投資ビザと事業ビザの最大の違いは何ですか?
投資ビザは出資や企業設立を目的とし、最長5年の滞在が可能です。一方、事業ビザは業務や提携を目的としており、最長1年の滞在に限定されます。
Q2. ベトナム投資家ビザを取得するための条件は何ですか?
投資額の規模(ĐT1〜ĐT4)や事業分野に応じた条件を満たす必要があります。また、合法的な投資活動を証明する書類と有効なパスポートが必須です。
Q3. 日本企業が最初に取得すべきなのは投資ビザですか、それとも事業ビザですか?
短期的な市場調査や商談が目的なら事業ビザが適しています。一方で、実際に会社を設立し長期的に投資する場合は投資ビザを選ぶべきです。
Q4. ビザ取得の際に注意すべき法的リスクはありますか?
はい。誤ったビザで業務を行うと、行政罰や国外追放のリスクがあります。必ず事業目的に合致したビザを選ぶことが重要です。
ビザに関する法規制を自力で調べることは、複雑で時間がかかります。行政手続きが、貴社のビジネスプランを妨げることのないようにしましょう。
グリーンサンベトナムは、日本企業の皆様に向けて専門的なビザコンサルティングおよび申請サポートサービスを提供しており、以下のようなお手伝いをします。
✅ 正確なビザの選択:貴社のビジネス目的に最も適したビザを確実に選択できるようサポートします。
✅ 時間とコストの削減:手続きを短縮し、書類を最適化することで、迅速かつ効率的なビザ申請プロセスを実現します。
✅ 法的リスクの回避:ベトナムの法律と規制に完全に準拠していることを確認します。
ベトナム市場でのスムーズなスタートを切る準備はできていますか?
📞今すぐお問い合わせください。無料相談を承ります!


ホーチミン支店コンサルタント
ダン・バオ・ファン
専門分野
- 投資
- ビジネス・貿易
- M&Aコンサルティング
積年の経験 : 10年以上