ベトナムで電子労働契約の法的枠組みが本格始動:政令第337/2025/ND-CP号の主要ポイント

2026年05月21日

Concept illustration of secure electronic labor contracts with digital signatures, biometric verification, and cybersecurity protection.

企業の皆様へ、

2025年12月24日、ベトナム政府は電子労働契約(以下「電子労働契約」)に関する規定を定めた政令第337/2025/ND-CP号を公布しました。本政令は、電子労働契約の締結、履行および管理に関する包括的かつ統一的な法的枠組みを全国規模で初めて整備するものであり、労働分野におけるデジタル化の推進において重要な一歩となります。主な変更点は以下のとおりです。

1.電子労働契約プラットフォーム上での識別コードの付与
電子労働契約を締結した後、当該契約は電子労働契約プラットフォームに送信され、識別コード(ID)が付与される必要があります。これにより、契約データが標準化され、国家機関の管理システムに統合されることが可能となります。
2.電子署名およびタイムスタンプの使用義務
使用者および労働者は、電子署名およびタイムスタンプ付与サービスを利用する必要があり、電子取引の真正性および完全性を確保することが求められます。
3.電子契約サービス提供事業者に対する要件の厳格化
サービス提供事業者は、技術インフラに関する要件を満たすとともに、契約締結に参加する主体の本人確認(生体認証データを含む)を行う仕組みを備える必要があります。
4.契約データへのアクセスおよび管理の仕組み
使用者および労働者はアカウントを登録することで、プラットフォーム上において電子労働契約の検索、確認および管理を行うことが可能となります。

政令第337および2023年電子取引法に基づき、当該プラットフォーム上の電子労働契約データは、国家機関による管理目的で活用される可能性があります。これは、電子労働契約が単なる契約締結の手段にとどまらず、労働管理のための重要なデータソースとなることを示しています。

このような背景のもと、企業においては以下の点に留意する必要があります。
・電子労働契約の内容が労働法令の規定を十分に遵守していることを確保すること
・電子労働契約、人事記録、社会保険データおよび税務義務との整合性を確保すること
・社内における電子労働契約データの管理、保存およびセキュリティ体制を整備すること
電子労働契約を初期段階から適切に標準化することにより、企業は法的リスクの低減および法令遵守の確保につなげることが可能となります。

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